トトロの樹



「トトロの樹」とは

トトロの樹東京都、杉並区西荻北四丁目の住宅街の一角にそびえる様に立っている一本の大ケヤキは、近隣の人々からいつの間にか「トトロの樹」と呼ばれるようになりました。樹齢は推定200年以上、 枝の広さは20m四方にも及び、3本の大きな幹が根本でつながったような形をしているまさに巨木です。(余談ですが個人的には「トトロ」と同じスタジオジブリの「天空の城 ラピュタ」に出てくる大樹にも見えます。)

その大きさから、西荻窪のランドマークの一つとされ、都内のケヤキとしては有数の大きさで、区の「貴重木」として保護の対象にもなっていました。
また、西荻窪を紹介する雑誌やテレビ番組などでもたびたび取り上げられていて、それらをご覧になって数多くの方が訪れる名木であり、中央線の車内からもその雄姿を望むことができるので、この界隈にお住まいではなくてもご存じの方も多いと思います。

この樹は、かつて、一面、田畑や森に覆われていたここ西荻窪(井荻)の土地にあって、江戸時代の昔から、ずっと私たちの生活の営みを見守ってきてくれました。地域の住民にとっては、まさに守り神のような存在なのです。 春には葉の根元に小さな花を付け、夏には目に眩しい程の葉の緑を身にまとい、秋には美しく黄色から次第に赤へと色を変える紅葉、そして冬の寒さに凛として枝を広げて佇み、四季折々の表情を見せるこの大ケヤキは、人々の癒しにもなっています。

その「トトロの樹」が今、伐採の危機に瀕しています。

土地の持ち主の方が、相続のためこの土地を手放すことになりました。それに伴いこの樹を切り倒してマンションにするという計画が持ち上がっているようです。それを裏付けるかのように4月早々に地目が畑から宅地に変更されました。また区の環境課に、「トトロの樹」の保護樹林の指定を解除する旨、要請がだされ、それが受理された模様です。
杉並区内には現在47本の保護指定されている樹木があるそうです。しかし、その半数は個人が所有しているものであり、個人がその解除を申し出ればすぐでにも伐採は可能で、法的な保護力はないと言っても過言ではありません。
確かに法的には所有者の個人資産であり、どう処分しようと個人の勝手かもしれません。
しかし、住環境の点から樹齢二百年の大樹は失われた二度と手に入らない、その地域の文化的、精神的な財産ではないでしょうか。

40年前の「トトロの樹」「トトロの樹」は、昔からこの周辺に住む者にとっては、物心つく前からの存在であり、子供の頃の思い出に必ずと言っていいほど登場する大切な樹です。遠くからでも見えるこの樹は近くのドングリ公園への目印にもなっていました。
また、おちこむことがあって家路をトボトボ帰るとき、この樹を見てちょっと元気をもらったという方もいらっしゃいます。

環境問題やエコロジー、省エネが叫ばれ、東京都や杉並区で都市の緑化計画が自治体の方針として打ち出されるにもかかわらず、相続などの理由で古くからの土地が手放され、効率化や経済性の名の下に東京のあちらこちらで緑が失われています。都市開発の一環として失った緑を増やすということも大事かもしれませんが、それ以前に今ある緑を守り育てること、そしてそれを後世に伝えることこそが重要であると考えます。

まだ西荻に人もあまり住んでいなかった江戸時代の昔から、明治維新、関東大震災、第二次大戦と様々な出来事を乗り越え、東京という都市の変遷をこの地で眺めてきた「トトロの樹」に、これからも東京の未来を見守ってもらいたいと私たちは切に願うのです。

樹を守るために何ができるのか、どうすればいいのか、皆さんで考えていきたいと思います。

杉並区や東京都で何らかの保護ができないか?
建築計画の見直しを求められないか?
マンションが建設されてしまう場合に、樹を残す形での設計はできないか?

など、考えられることはいくつもありますが、それを実現させるには皆さん一人一人のお力が必要です。
署名活動等、「トトロの樹」存続のため、是非とも協力していただきたく思います。
トトロの樹
また、かつてこの「トトロの樹」を取材された新聞社、テレビ局等各マスコミにも協力を呼びかけており、「トトロ」という名称からスタジオジブリに対しても「トトロ」の名称使用の許可と何らかのご協力をいただけないか打診しているところです。


「トトロの樹」航空写真(google)

大きな地図で見る

こちらのリンクから、「トトロの樹」周辺の地図を見ることができます。
JR西荻窪駅下車、北口をでて伏見通り方面に進む。右手に「まるわ家具」のある十字路を右折すると正面に大きなケヤキの木が見えてきます。
まだご覧になったことがない方は、是非一度足を運んでみてください。
その大きさ、美しさ、崇高さに圧倒されるはずです。


その後、地域住民をはじめとした1万筆を超える署名により、杉並区がこのトトロの樹のある土地を取得し、2010年4月「区立坂の上のけやき公園」として整備される運びとなりました。現在は地域の憩いの場として親しまれています。